話し言葉・書き言葉の一覧表 | |
話し言葉 | 書き言葉 |
やる | 行う(戦う) |
みたい | よう |
みたいだ | である |
すごい・すごく | 非常に 大変 極めて |
なんて | などとは |
なんで | なぜ |
なんだろう | なのだろう |
こんな | このような |
そんな | そのような |
あんな | あのような |
どんな | どのような |
「やる」は使わない
文章力アップのポイント
「やる」は話し言葉で使われるが、書き言葉では「行う」など、文の内容にふさわしい語句に置き換える。
NG:サッカーや野球などの集団競技と異なり、フェンシングは基本的に個人でやるスポーツである
・やるが話し言葉です。
OK:サッカーや野球などの集団競技と異なり、フェンシングは基本的に個人で行うスポーツである
・書き言葉の「行う」に置き換えます。
GOOD:サッカーや野球などの集団競技と異なり、フェンシングは基本的に個人で戦うスポーツである
・「フェンシング」に適切な「戦う」という書き言葉に置き換えると、意味がはっきりします
書き言葉と話し言葉は異なる
最初に、書き言葉と話し言葉でルールが異なることを知っておきましょう。普段の会話は、もちろん話し言葉ですから、はんし言葉のルールに従って行われています。しかし、社内文章、企画書、就職、転職の際の志望理由書、レポート、小論文など書き言葉です。したがって、話し言葉とは別のルールに従って書かれなければなりません。
- 文章で使われる言葉
書き言葉を使うべき文章 | 話し言葉でも許される文章 |
|
|
例えば、文例にある「〇〇をやる」は話し言葉です。したがって別の言葉に置き換える必要があります。その最も簡単な方法は、OKのように、書き言葉の「行う」ことでしょう。ただし、「〇〇を行う」ばかりが多用された文章もまた、単調で味けないものです。そこで内容にふさわしい言葉「戦う」に置き換えると、意味がはっきりした文章になります。ほかにも「課題をやる」は「課題をこなす」は「治療をする」は「治療を施す」のように書き換えると、「やる」や「する」の意味を明確化できます。
「みたい」は使わない
文章力アップのポイント
・「みたい」は話し言葉なので、書き言葉の「よう」などに直す。
・「みたい」を削除する方法もある。
NG:中高年の顧客にはシンプルなデザインが好まれるみたいだ。
OK:中高年の顧客にはシンプルなデザインが好まれるようだ。
「みたい」は話し言葉なのでNG
NGの「みたい」(みたいだ。みたいに)は典型的な話し言葉です。これを書き言葉を混用すると違和感が出ます。書き言葉としては「よう」が正解です。ちなみに、文末の「みたい」を使わないように注意している人でも、なぜか「若年層には大胆なデザインが好まれているみたいに思われているが、一概にそうとも言い切れない」のように、文の中間にあると気づかないケースもあります。もちろん、これも間違いなので、「ように」に置き換えましょう。
他人から聞いたり本で読んだりしたことを表す「みたい」の場合、次のように別の方法で置き換えることができます。
NG:ケインズによると、公共事業は景気刺激策として有効みたいだ。
OKケインズによると、公共事業は景気刺激策として有効である。
他にも、「中高年の顧客にはシンプルなデザインが好まれるっていう」の「っていう」は「という」が正しい書き言葉です。
「すごい」「すごく」は使わない
文章力アップのポイント
・程度を表す「すごい」「すごく」は話し言葉であり、「非常に」「大変」などを使うのが正しい。
・「超」を使って程度が大きいことを表すのも間違い。
NG:15時からN社会議室にてプレゼンを行ったところ、N社の方々の反応はすごいよかった。
OK:15時からN社会議室にてプレゼンを行ったところ、N社の方々の反応は非常によかった。
程度を表す書き言葉を覚えよう
程度の大きさ(強さ・弱さ・高さ・低さ・厚さ・寒さ)を強調するために、話し言葉では「すごい」や「すごく」を使うことがありますが、「非常に」「大変」「極めて」などです。ただし、文字どおり何かを超えるという意味で「超」を使う場合は、必ずしも間違いではありません。たとえば「超音速」は「音速を超える(ほど早い)」という意味であり、「非常に音速である」という意味ではないので、正しい表現ということになります。
書き言葉として使ってはいけない語句の例
使ってはいけない語句 | 書き換える例 |
どっち | どちら |
やっぱり | やはり |
〇〇ばっかり | 〇〇ばかり |
だったら | なら・であれば |
ちょっと | 少し・やや |
ちゃんと | きちんと・しっかり |
〇〇じゃない | 〇〇ではない |
〇〇するくらい | 〇〇するほど |
音が省略された言葉は使わない
文章力アップのポイント
・「しちゃう」「なんだから」ではなく、「してしまう」「なのだから」を用いる。
・「なんて」は「などとは」に置き換える。
NG:私の短所は、意見をはっきり言うことを重視するあまり、自分の意見を強引に押し通しちゃうことだ。
OK:私の短所は、意見をはっきり言うことを重視するあまり、自分の意見を強引に押し通してしまうことだ。
NG:これはぺんじゃない。
OKこれはぺんではない。
音が省略された言葉は話し言葉の一種
「しちゃう」や「じゃう」という言い方は、「してしまう」や「でしまう」の音が話し言葉風に省略されて変化した形です。必ず「してしまう」や「でしまう」と書きましょう。長い文の中では使ってしまいがちなので、特に注意が必要です。同様に、「じゃない」省略された話し言葉です。この場合は「ではない」に置き換えます。ほかには、「なんだからも話し言葉です。これは「なんだからの省略された形ですが、実はこのようなもとの音の一部が省略された形の場合、普及すれば書き言葉として社会的に認められることもあります。しかし、「なんだから」はまだ書き言葉として認められていません。「なんて」や「なんで」も話し言葉です。」下の文例のように書き言葉の「などとは」に置き換えましょう。
NG:あの会社が黒字だなんて信じられない。
OK:あの会社が黒字だなどと信じられない。
ら抜き言葉はは使わない
文章力アップのポイント
・「食べられる」の「ら」を抜いて「食べれる」のように略した「ら抜き言葉」は話し言葉なので使わない。
・ら抜き言葉は正しい日本語として認められない。
NG:東京の多くの場所からスカイツリーが見れるが、スカイツリーの中からはスカイツリーの外観が見れない。
OK:東京の多くの場所からスカイツリーが見られるが、スカイツリーの中からはスカイツリーの外観が見られない。
OK:東京の多くの場所からスカイツリーが見えるが、スカイツリーの中からはスカイツリーの外観が見えない。
「〇〇られる」が自然ならば「〇〇られる」が正しい
ら抜き言葉は「〇〇できる」という意味(可能)の「〇〇られる」を「〇〇れる」と略したものです。あくまで「られる」が正しく、「れる」は誤りです。